本文へスキップ

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.0187-86-0311

院長ごあいさつ

院長ヒトコト

子宮腺筋症

 今回は子宮に出来る良性腫瘍である「子宮腺筋症」について、お話したいと思います。
子宮の内側は子宮内膜という組織で覆われています。子宮内膜は排卵に伴い厚くなり、
妊娠すれば胎盤になり、妊娠しなければ月経として、剥がれ落ちます。
この子宮内膜が何等かの理由で子宮筋層に巡りこんだり、卵管を通して卵巣に付着したりするものが、
子宮内膜症です。子宮内膜が子宮の筋層に巡りこんで、子宮が肥大化したものを子宮腺筋症と呼んでいます。超音波装置で見ると、子宮全体がだるま状に丸く見えます。
また、卵巣に発生したものはチョコレート嚢腫と呼ばれ、卵巣の中にチョコレート色の液体が溜まっています。子宮内膜症の症状は、月経痛です。子宮内膜症の部位によっては、排便痛や性交痛が起こることもあります。また、重度の子宮腺筋症では過多月経となり、貧血を伴うこともあります。
この病気は月経の回数が増えることによって重症化します。現代女性は初経年齢が早まり、昔の女性に比べ、出産・授乳回数が減っているため、月経回数が増加しています。(ある論文によると、9倍という報告があります。)そのため、近年、子宮内膜症の患者さんは増加傾向にあります。
治療法は、まず、鎮痛剤ですが、鎮痛剤でも痛みが残る場合には、低用量ピルか黄体ホルモン剤が使われます。低用量ピルは排卵を抑えて、子宮内膜を薄くして、月経痛を緩和し
ます。黄体ホルモン剤は子宮内膜を薄くして月経痛を和らげます。黄体ホルモン剤は内膜症病変の治療効果もあり、長年飲んでいると子宮腺筋症やチョコレート嚢腫の病変が縮小する効果があります。
更に病変の縮小効果を狙う目的で、GnRHアゴニスト、GnRHアンタゴニストといった強力に女性ホルモンを低下させ、閉経状態を作り、治療する方法もあります。
この病気で気をつけなければならないのは、チョコレート嚢腫が時に悪性転化することがあるということです。原因は明らかには判っていませんが、40代後半に多く、頻度はかなり低いのですが、私も2例ほど、経験しています。また、子宮内膜症組織は卵管を通じて、子宮外に広がった場合、卵管や子宮に癒着を起こすため、不妊の原因になります。
若い頃から、月経痛が強い女性は、子宮内膜症になる頻度が強いと言われており、若い頃から、低用量ピルを内服したほうが子宮内膜症の発生を抑えるという論文もあります。

「月経痛は我慢するな!」が当院のモットーですが、月経痛を治療する薬がここ10年で数多く、発売され、その治療の幅も広がりました。私が医者になった頃は、鎮痛薬で我慢するか、手術するかの選択肢しかなかったのですが、現在は薬による治療が一般的になってきました。
中学生・高校生を含め、生理痛で苦しむ方を救いたいというのが、私の願いです。
産婦人科は敷居の高い科と言われますが、どうか、生理のことで困っておられる方は当院を受診してください。お待ちしています。

今回は子宮内膜症についてお話しました。では、また。









佐藤レディースクリニック

〒014-0044
秋田県大仙市大曲戸蒔字谷地添106-1
TEL 0187-86-0311
FAX 0187-86-0022